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【14.06.12】富士急石川タクシー富士宮労組の不当解雇撤回裁判

東京高裁不当判決

 石川タクシー富士宮労組が、富士急石川タクシーに対し「解雇無効、未払い賃金や慰謝料」を求めた裁判は6月12日、東京高等裁判所で判決が言い渡されました。東京高裁の三輪和雄裁判長は、控訴をすべて棄却する極めて不当な判決を言い渡しました。  

他に例をみない極めて悪質な不当解雇

 石川タクシー富士宮は財務状況からみて、突然会社を解散させる必要性もなく。また、事前に解雇を従業員に知らされることもなく、当日になって事業場をバリケードで封鎖し、私物を外に放り出すなどして行われた。会社は、法律違反是正のため活発な組合活動を行っていた組合を嫌悪しておこなったことなど主張してきました。  

労働者の権利擁護の流れを断ち切る不当な判決

 判決では、「適切な時期を解散や解雇の実施日と定め、説明文書を作成して従業員に予め配布するとともに、説明会を開催した上で従業員の納得を得て、円満に解散及び解雇を行うことが、雇用契約を終了させる方策として望ましいことは当然である。しかるに、本件解雇では、このような手続がとられていなかったといえる」と認めていますが。
「そのような手続をとることが困難であったり、とったとしてもそれに見合う成果が期待しがたいような場合もありうるのであり、このような場合に、そのような手続がとられなかったことにより解雇権の行使が権利の濫用となることはない」、「上記のような手続をとったとしても円滑に進行するか疑問であり、また、被控訴人富士宮の厳しい財務状況からして、それ以上の損失の拡大を避けるために直ちに解散と解雇を行い、従業員の負担軽減策は事後的に講じるという選択も、経営的判断としてあり得るところといえる」と本件解雇が解雇権の濫用に当たるとはいえないと極めて不当な判決を下しました。
 

整理解雇において積み上げられてきた判例法理を実質的に破壊

 経営側の経済的利益を最重視し、解雇によって被る労働者の不利益については顧みない不当判決は到底容認できません。
 これがまかり通るなら、使用者は気に入らない組合をつぶすため、会社を分割して、会社解散という形式さえ採っておけば自由に解雇ができてしまいます。

記者会見で

   静岡地裁沼津支部の弁護士会館で記者会見を行い、諏訪部みゆき委員長は「解散当日まで従業員らに解散の事実を一切伝えず、従業員の解雇に伴う打撃を緩和する有意な措置を何一つとらなかったという、他に例をみない極めて悪質な不当解雇にかかわらず東京高裁は棄却したことに怒りを感じる」「原告団は最高裁へ上告する予定です」と述べました。

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